MARNI (マルニ)
1994年、コンスエロ・カスティリオーニが設立したイタリアのラグジュアリーブランド、MARNI (マルニ)。
デザイナーの夫、ジャン・カスティリオーニが社長を務める会社「CiwiFurs」からスピンオフする形で生まれました。
その会社が毛皮メーカーであったため、当初は毛皮と革製品のみのラインナップで展開されていましたが、 徐々にデザイン的にも独立していき、1999年に現在のデザイナーズブランドの形を為しました。
しかしここでも紹介しているメンズラインが始まったのは2001年なので、レディースの歴史の方が長いブランドです。
毛皮メーカーを起源とし、レディースブランドとして始まった出生のおかげか、メンズラインもその可愛らしく温かみのあるデザインが特徴的です。
特にボリュームの使い方と構築的なシルエットは、世界的に高く評価されています。
マルニの可愛らしいデザイン
これはレディースのルックですが、マルニはデザイナーが「自分が本当に着たいものを、自分の手で」というコンセプトの元に生み出したブランドです。
そんな想いを持った彼女のデザインは、贅沢な素材使い、鮮やかな色使いが特徴的で、ロマンチックな雰囲気があります。
勿論メンズラインにもそのセンスは反映されていて、温かみのある優しい服作りがされています。
まさにレディース上がりのブランドらしい強みが色濃く滲み出ています。
アイテム単位では不思議なカラーリングとボリューム感のニットや、温かみの感じられるスエード素材のブルゾン、カラフルなシャツなど。
可愛らしくて魅力的なアイテムが目を引きます。
一方、ボトムスはとても綺麗なシルエットのスラックス。
こういう形で全体としてルックを見た時のバランスが非常に良く、インパクトの強いアイテムが悪目立ちしません。
特徴的なアイテムはマルニらしい素晴らしいアイテムですが、それと上手く馴染み成立させる他のアイテムも中々に技ありです。
またレディースで評価されてきた手法が落とし込まれているだけあって、メンズのマルニはまさに褒められブランドみたいな所はあります。
シンプルなニットにスラックスを合わせたこんなスタイル。
いかにも女性から評価されそうですね。
個人的に迎合するような着こなしはあまり好きではありませんが、こういう洗練された可愛さならまた話は別です。
自分の納得する服を着て、女性票も入る、そんな少しズルいブランドです。
「温かみ」という点に関して見ると、極端ですがこんな尻尾のキーホルダーもあります。
絵に描いたような話のタネになるアイテムですね。
なんだか温かみの溢れる可愛いアイテムと、それをトータルで成立させる気の利いたアイテムを並行して発信していくMARNI。
レディースラインを起源とするセンスの良さがこれほど綺麗に反映されているブランドもないかと思います。
フェミニンな雰囲気こそあれ、女々しさは決してなく、同性からも異性からも評価される稀有な服です。
是非一度実物を見てもらいたいです。
詳しいコレクションはこちら
http://www.fashion-press.net/collections/brand/144