OFF-WHITE (オフホワイト)
デザイナーのVirgil Abloh(ヴァージル・アブロー)が、2014年に発表したブランド、OFF-WHITE (オフホワイト)。
「ラグジュアリーなストリートウェア」をコンセプトにメイドインイタリーに拘ったクオリティの高いアイテムを提案しており、ジバンシィなどが牽引してきた「モードとストリートの融合」という昨今のトップトレンドにおいて無視できない存在となっているブランドです。
Virgil Abloh(ヴァージル・アブロー)
デザイナーのアブローは少し変わった経歴を持つ人物。
彼は大学院で建築の修士号まで取得し、一度は建築関係の会社に就職しています。
彼は建築を学ぶ裏でファッションに対する興味も持ち合わせていたと言いますが、そこに目を着けたのが世界的なファッションアイコンでもあるカニエ・ウェストでした。
そしてカニエのアートディレクターを務めることとなり、裏方としてファッションの世界を覗いていく中で、自分のブランドを持ちたいという気持ちが生まれてきたと言います。
カニエとの出会いに続き、彼の手掛けるビデオプロジェクト「PYREX VISION(パイレックスビジョン)」の映像がYoutubeで大きな反響を呼んだことが彼にとって二つ目の大きな転機となります。
PYREX VISION
Joy Divisionの楽曲「Heart and Soul」と共に幕を開けるこの動画。 赤、黄色、青、黒のカラーで構成され、ドラッグディーラーを指すスラング「PYREX」、そして伝説的NBAプレイヤーであるマイケルジョーダンと同じ「23」のナンバリングが施された洋服に身を包むのは、Hiphop集団A$AP MOBの面々、Ian Connor、Naleye Juniorといったファッションアイコン達。
引用:http://cherry-fukuoka.com/blog/archives/523
この映像(リリース当時の)を受けてパリのセレクトショップ、コレットのサラから「このビデオに映っている服は買えるの?」と問い合わせがあり、わずか1シーズンのみの展開となったオフホワイトの原型なる伝説のブランド、「Pyrex Vision」が生まれます。
ChampionのパーカーやTシャツ、ジム用ショーツ、RUGBY by Ralph Laurenのネルシャツをベースにグラフィックデザインを施しただけにも関わらず、目を疑うようなプレミア価格で取引され、ラグジュアリーブランドであるGivenchyをも超える価格を当時インターネット上で「Pyrex Over Givenchy(Givenchyよりも高いPyrex)」と揶揄されるほどだったそうです。
そしてこの成功を受け、翌年延長として立ち上げられたのが「Off-White」になります。
参照:http://cherry-fukuoka.com/blog/archives/523
オフホワイトのデザイン
宗教画やナンバリングなどを始めとするプリントは「PYREX」時代から健在のデザインですが、ネルシャツやパーカー、ダブルライダースなど、アイテム自体はベーシックなものを用意し、そこにグラフィックや加工で味付けするというのがオフホワイトのやり方です。
チャンピオンなどのアイテムに手を加えて恐ろしい付加価値を生んだ話は先ほどもしましたが、シルエットを変えずにデザインの根幹にアプローチできるのはヴァージルならでは。
ラインプリント
そんなオフホワイトのデザインの中でも恐らく一番有名でかつセンセーショナルなのブランドの代名詞とも言えるのがこのラインプリントでしょう。
BAPEの猿ほど直接的ではなく、マルジェラのタグひもよりは幾分か分かりやすい、非常に絶妙なアイコンだと思います。
二重引用符
このルックの「”SCARF”」などにも現れている「”〜”(二重引用符)」を用いたデザイン。
当たり前のように分かっているアイテムの通称や用途を今更のようにアピールしてくるかなりメタ志向なデザインですが、個人的には何故か相当惹かれてしまいます。
ラインテープもセンセーショナルで素敵だったのですが、まだその勢いが沈まぬ内に追随する形で現れたこちらのデザインも新たなファンを喚起するきっかけとなったに違いありません。
ナイキとのコラボでのフットボールコレクションでもこの二重引用符デザインが絶妙なアクセントとして効かされています。
アロープリント
オフホワイトのアイコンが凝縮した一枚ですが、こちらのTシャツのバックプリントがアロー柄になりまして、こちらは初期から顕在の代表的なプリントの一つになります。
個人的には二重引用符が最も好みだったりしますが、オフ自体がストリートのアイコンとなった今、こちらも「映える」柄として非常に人気の高いテーマではあります。
これほど支配力の高いデザインとなると、KENZOのタイガースウェットみたく多少人を選ぶというか、服好きには理解されても、あまり興味のない人からは一切評価されないような部分があるかと思います。
ただオフホワイトの場合は、勿論服好きにとっての共通言語であるだけでなく、興味のない人にもイイなと思わせる魅力のあるデザインな気がします。(極力客観的なあくまで主観なのですが、)
他のブランドがどれほどシルエットなどでこだわり抜いても、この軽快でネガティブなイメージを感じさせないキャッチーさでオフホワイトに勝るところは現状中々見当たらないのではないでしょうか。
インダストリアルベルト(Industrial belt)
こうして色々と紹介してきたオフホワイトのアイテムの内、まず一点買うとするなら間違いなくこれではないかとオススメなのがこちらのインダストリアルベルトです。
前述の様々なセンセーショナルなデザインでフォロワーを集めてきたブランドですが、アイテム単位で考えるとこちらが挙げられるかと。
将来的にオフホワイトがデアゴスティーニに取り上げられる時が来たら、創刊号はこいつなのではないかと思うぐらいのセンセーショナルなアイテムです。
全長2m近い、非常に長いベルトなのですが、地面に擦るぐらい長く垂らしても良ければ、二周巻くことである程度収まりの良いアクセント使いとしても有能で、かなり様々なアレンジができます。
一応ヴァージルアブローのアカウントにて正規の巻き方(着用方法)も提案されているので挙げておきます。
個人的にも多少語弊のある言い方ですが、「極論オフホワイトの全て」ぐらいの勢いでオススメされて以来、気になって仕方なく、結局買ってしまったアイテムになりますが、間違いはありませんでした。
ここ数年「ガチャベルトの流行」を聞くことが多かったかもしれませんが、こいつがそのトレンドを牽引した大本命だったように思われます。
「ダッドシューズ」の頂点に君臨するTripleSがその他の厚底スニーカーとは似ても似つかぬオリジナルであるのと同じように、このインダストリアルベルトもある程度誰にでも分かりやすく抽象化された普通のガチャベルトとは訳が違います。
¥25,000程度の価格帯でベルトにかける額ではないと自分も最初は思っていましたが、悪くはありません。
こうして紹介してきましたブランド、オフホワイト。
これからも「ストリートでありながらハイエンドなブランドとも組み合わせることができる服」として目が離せません。
価格相場
トップス:¥31,000〜85,000
ジャケット:¥75,000〜320,000
パンツ:¥28,000〜110,000
三代目J Soul Brothersの登坂さんや、BIG BANGのG-DRAGON、ジャスティンビーバーなど多くの有名人に着用され、数年前よりもさらに価格が高騰しています。
やはり値段がそこそこしてきますので、インスタなどで見覚えがあるというアイテムでも意外と正規の取扱店には在庫がある場合もございます。
是非また探してみても良いかと思います。
公式サイトはこちら
https://www.off—white.com/en/JP