Bottega Veneta(ボッテガヴェネタ)
イタリアの名門ブランド、Bottega Veneta(ボッテガヴェネタ)。
1966年、モルテド夫妻が北イタリアのヴィチェンツァにて設立しました。
「ボッテガ」は「工房」の意で、ヴェネタはイタリアの地方の名前です。
熟練した革職人の伝統、クラフトマンシップに深く根ざした最高品質のアイテムで、世界中に数多くのファンを持つブランドです。
ブランドのモットーは「When your own initials are enough」
和訳すると「自分のイニシャルだけで十分」という意ですが、「ロゴがない」と言うと少し理解していただきやすいかと思います。
「ロゴのようなシグナリングは一切排し、圧倒的なクオリティで語る。」
そんな絶対的な物作りに対する矜持が現れています。
ブランドの転機は2001年、ボッテガは当時のグッチグループ(現ケリング)の傘下に入り、トーマス・マイヤーがクリエイティブ・ディレクターに就任した時でした。
ブランド拡大の使命を与えられた彼は、「4つの礎石」(最高級の素材、卓越した職人技、現代的な機能性、そして時代を超越するデザイン)という基本原則を打ち出し、ラグジュアリーブランドらしさを強めていきました。
特に職人の手作業に関しては非常に強い気持ちがありました。
「職人による手作業の技に象徴される知識や文化の豊かさが消えつつあるとすれば、それは、多大なる損失となるでしょう。彼らのノウハウには、独自のクリエイティビティと人類の歴史が紡いだ貴重な糸が宿っています。この点だけにおいてだけでも、取り換えのきかないものです。さらに一歩進んで、私たちは特定の知識を守るだけでなく、手作業の技術が、そのルーツを持つ地域で、さらに活性化し続けるように努力を惜しんではならないと私は考えています。手作業の技は、地域と切り離すことができません。
地方の文化的な伝統が職人の技を大いに活気づかせるように、歴史的に深く根付いた手作業の技の存在が、地方の文化の進化を形作るのです。」トーマス・マイヤー
引用:http://www.bottegaveneta.com/jp/ユニセックス/ボッテガ・ヴェネタの伝統_grd14171
このように職人と深く関わりを持ったボッテガは、職人たちの労働環境を整えるべくアトリエを新設(2013年)したり、その伝統を途切らせないよう職人学校を開校(2006)するなど、様々な取り組みもしています。
特に新アトリエのヴィラは世界で最も厳しい評価基準と言われるLEEDのプラチナ認証を得たことで話題となりました。
ボッテガはファッション企業で唯一、イタリアにおける「働きがいのある会社」ランキングのトップ10に選出された企業でもあります。
ボッテガのウェア
そんなボッテガのウェアは、少し意外性のある色合いが特徴的です。
雪と氷が日常にありふれた白銀の世界に暮らすエスキモーは、他民族が「白」と表現する色をさらに数十種類に分類すると言いますが、ボッテガの服もそれぐらい絶妙な色使いがされます。
やはり職人気質のブランドであることもあってか、服をパレットにしたデザインで差別化を図るというよりかは、服そのもので違いを見せてくれる印象です。
前述した色合いや質感など、そういった部分に独特のブランドらしさが現れます。
とりわけブランドの顔とも言える革製品は特に一括りに表現できないような色と艶を見せます。
熟練した革職人の丁寧な手作業によって作られる革は「シルクのよう」と表現されることさえあり、スムース加工もシワ加工も、簡単には再現できない技の賜物になっています。
イントレチャート
最後はボッテガを紹介する中で絶対に欠かしてはいけないディテールでありアイテムの総称「イントレチャート」。
こちらはイタリア語で「編み込み」を意味し、滑らかななめし革を均一な短冊状に裁断し、切れ込みを入れたもう一枚の革に編み込んで作られます。
極めて熟練した技術が必要とされる加工で、ボッテガにしか生み出せません。
ロゴのないボッテガですが、この上ない意匠とも言えるディテールです。
ハンドバッグが最も人気ではありますが、リュックサックやメッセンジャーバッグなどもあります。
素材も全てレザーのイントレチャートで完結してしまうものもあれば、キャンバスやナイロンといった素材とミックスしてできたアイテムなどもあります。
大きさと素材に比例しますが、大体20万円から40万円近くの価格帯になってくる相当な嗜好品です。
イントレッチオミラージュ
そしておそらく最も価格が安いのがこちらです。
厳密にはイントレチャートとは異なるのですが、圧縮カーフレザーにイントレチャートのパターンを刻印する「イントレッチオミラージュ」という工法で作られたアイテムです。
12万円前後ですので妥協案、もしくはボッテガ好きの二代目としてオススメとされるモデルとなっています。
カバ
逆にこちらはおそらく最も高いモデル、ラムスキンをイントレチャートで編みこんだトート型バッグの「カバ」です。
職人が二人がかりで編みこんで作っているため、年間に作れる数も限られ、大体今では60万円ほどになるのかと思います。
ちなみにこちらはそのカバの中でもさらに最上位「カバ・プント・モカッシーノ」というアイテムです。
イントレチャートのすべての編み目の中心に特殊な刺繍を施すという、空前の技術を投入した素材でできており、
その名のとおりモカシン靴に着想を得て編み出されたこの技法を実現するには、通常の「カバ」の2倍のレザーと3倍の手間がかかるといいます。
価格は¥1,806,000。
参照:http://gqjapan.jp/fashion/wardrobe/20120206/bottega-veneta
イントレチャートシューズ
このイントレチャートは、やはりバッグや財布が有名ですが、靴でも部分的に採用されることがあります。
高いデザイン性だけでなく、個々人の足に沿うように滑らかに伸び、フィットするため、履き心地も良いのだとか。
こうして紹介してきましたブランド、ボッテガヴェネタ。
良くも悪くも値段は数あるメゾンブランドの中でもトップクラスで、おそらくこのサイトで紹介しているブランドの中でも最高峰に当たります。
職人の手作業という代えの効かないコストを考えると仕方ないのかもしれません。
是非また調べてみてください。
詳しいコレクションはこちら
http://www.fashion-press.net/collections/brand/202