PRADA (プラダ)
おそらく現状世界で最高の評価を得ているブランド、PRADA (プラダ)。
1913年、マリオ・プラダがミラノに開業した皮革製品店が元となっています。
世界中から質の高い革や珍しい素材を集め、イタリア職人の技術で豪華なアイテムを作る。それがブルジョワの間で評判となり、イタリア王室の御用達となりました。
1958年、マリオの死と時代の変化に豪勢さが合わなくなったのが重なり、しばらくの間低迷期を迎えますが、
78年に孫娘のミウッチャ・プラダ(現デザイナー)がオーナー兼デザイナーに就任したことをきっかけに好転していきます。
彼女のコンセプトは「日常を贅沢に飾る」。
現代的で革新的な素材使いやデザインの斬新さと、伝統や歴史の見事な調和で世界的なブームを巻き起こします。
デザインもそうなのですが、彼女の強みは類い稀なマーケティングセンスです。
例えばブランド復刻の礎となったアイテムとして有名なのはこちら。
ポコノ
今では定番となっている黒のナイロンが特徴的なこちらのシリーズ、ポコノです。
「ポコノ」とは元々、工業用に特化された素材で、テントやパラシュートといったミリタリー用品を作るために使われていました。
薄いのに丈夫なため非常に軽量で、撥水性も高い、高機能素材です。
バッグと言えばレザーと相場が決まっていた当時に提案されたこのアイテムは業界でも異端で、初めの頃は中々受け入れられませんでしたが、これが現代女性の合理的志向に合い、爆発的なヒットを収めます。
これはブランドでも最大と言える革新的な取り組みでしたが、時代の流れを敏感に感じ取る力に非常に長けています。
参照:http://www.fashion-press.net/brands/65
そういったところで「世界一の優良ブランド」と言っても過言ではありません。
これから色んなブランドが出てきてトレンドが揺れ動いても、PRADAだけはこの地位を譲らないはずです。
きっと世界の最前線でトレンドを発信し続けるのでしょう。
『プラダを着た悪魔』という人気作品があるように、まさに女性のステータスを象徴するブランドとしてその名前を轟かせています。
誰もが知るブランド物でありながら、シンプルで嫌味のないロゴプレートなど、シグナリングでも現代人の感覚にマッチした良い線を突いている印象を受けます。
また小物で有名な他のハイブランドと比べて、ウェアも高い人気を誇るのがプラダの強さです。
例えばルイヴィトンの財布や鞄を持っている人は驚くほどたくさんいると思いますが、実際に服までヴィトンの物を着ている人、となるとあまりイメージが湧かないのではないでしょうか?
その点プラダの服はストリートスナップなどでもお洒落な方々によって華麗に着こなされているのを頻繁に目にします。
ウェアまで着たいと思ってしまうハイブランドです。
世界的名作とは言え、ゲームキャラにアイテムを着せてルックを作るなど、幅広い層を開拓していく革新的なプロモーションも流石です。
未来のトレンドを見せるプラダのデザインセンス
そんなプラダの服は、時に「未来を示す灯台のよう」とも表現されます。
取り立てて目立つ奇抜な作りはありませんが、実は挑戦的な精神が溢れており、既存の焼き回しとは完全に異なる新しいセンスが滲み出ています。
例えば上のルックでもある2014ssシーズンは、誰の目にも明らかなリゾートスタイル。
アロハシャツやブルゾンの柄を見ればアイテムの型的に間違いなくリゾートをテーマにしたコレクションであると分かるかと思います。
しかし、そんなテイストの裏に漂うのが少しの緊張感。
一般的にリゾートスタイルと言いますと開放的な明るいイメージの強いスタイルのはずですが、ダークトーンでまとめ上げることで、
従来とは完全にイメージを異にするニューリゾートスタイルを提案しました。
日の上りきった青い空より、日の沈みかかった空の方がイメージできます。
実はこのコレクションには、「陰のあるダークなリゾートテイスト」以外にも、「イタリアンクラシックなテーラード」「50年代のアメリカ」「ミリタリー」などの要素も加えられていて、
奥行きのあるプラダらしいクリエーションが高く評価されていました。
そんなデザインに関して、デザイナーのミウッチャは「最初は三つか四つくらいのアイデアがあり、それをもとにいろいろ試してみる。」と言います。
大きな題材を目指して突き進むのではなく、複数のテーマから自分の目指すクリエーションへ向けて要素を削り、アイデアを濃縮していくというのが彼女の手法です。
「私は最初から全体像をデザインしたりはしないの。デザインを始めるときは、これからどんなことになるのか全然わからないわ」
引用:http://globe.asahi.com/art_fashion/2013030100007.html
そういったところで一つのコレクションに与えられるキーエッセンスが特定されず、絶妙なミックステイストが生まれるのかと思います。
前述のようなデザインプロセスを辿るため、最終的に他の国の文化が少し色濃く反映されることがあっても、それは偶然の産物であると言います。
デザイナーである前に感の鋭いビジネスウーマンである彼女は、ファッションの持つ発信力と、自身のクリエーションが誰かの気分を害する可能性への配慮を非常に大事にしていることが分かります。
「いつもは他国の文化になぞらえるのは避けるようにしているの。エスニックなものって、ファッションにおいてはとても危険だから」とミウッチャは言う。
引用:http://globe.asahi.com/art_fashion/2013030100007.html
また特別なファッションアディクトでなくとも、他のメゾンブランドと比べてプラダが意外と馴染みやすいのは実は単純な理由があります。
それはルック単位だけでなく、アイテム単位でも訴求力が高いからです。
「ショーのルックはあくまで一つの着方。それをどう着るかの可能性の模索は完全にユーザーに委ねますが、一着でも映えるのは保証します。」
そんな声が聞こえてきそうなプラダのアイテムは、潜在的な消費者のニーズを突き、必ず将来的なトレンドを内包しています。
トータルで揃えなければ何かイメージに齟齬が生まれてしまうアイテムではなく、一点でスタイリングに華を添えてくれます。
さらに細かいところで複数に散らされたデザインソースが既存のワードローブとの共存を容易にしてくれるため、ストリートシーンでもハマります。
そんなところで、少し無理をしてでも買いたいという気持ちが出ても至極真っ当かと思います。
プラダはこの辺りが本当に上手いです。
プラダの定番小物
ウェアに関して紹介してきましたが、やはりメタルプレートのロゴでお馴染みの小物類も簡単に紹介しておきます。
トートバッグ
こちらは凹凸のあるカーフレザー「Saffiano(サフィアーノ)」を用いたトートバッグです。
スムースレザーに比べてハリがあり、凹凸が生む光沢感は気品があり、傷や汚れにも強いため、革本来の美しさを永く保つことができるモデルです。
他にも冒頭で挙げたナイロン素材の物やキャンバス素材ので展開されることが多いCanapa(カナパ)というモデルなど、色々な種類があります。
バックパック
こちらのバックパックも名作です。
シンプルで無駄がなく、黒のナイロンと金具に配されたシルバーのコントラストがモードなアイテムで、アンダーカバーを筆頭に色々なブランドに模倣されています。
プラダの小物の象徴的なディテールであるメタルプレートも背面や側面の底付近など目立ちにくい位置に付いており、そのサジ加減も素敵です。
財布
財布はこれと言って何か特別なことを言える訳ではありませんが、無駄のないミニマムな表情に、嫌味のないロゴプレートが首尾良くアクセントとして効いてきます。
こちらはシンプルな二つ折りですが、長財布などもあり、どれを選ぶかは好みの問題です。
キーホルダー&キーチャーム
もう一つ忘れてはいけないのがこちら、キーホルダーとキーチャームです。
こちらの場合は小物と言っても完全に必需品ではありませんが、中々に可愛らしいデザインで腰回りのアクセントとしては最高クラスの輝きを見せてくれるかと思います。
こうして紹介してきましたブランド、PRADA (プラダ)。
小物も服も、どちらもオススメなブランドです。
憧れがあるなら何か一つ買ってみて気分を上げてみると良いかも知れません。
詳しいコレクションはこちら
http://www.fashion-press.net/collections/brand/65