DIGAWEL (ディガウェル) /デザイナー 西村浩平
2006年、デザイナーの西村浩平氏によってスタートしたブランド、DIGAWEL(ディガウェル)。
企画、デザイン、販売と、服が生まれてから流通するまでのあらゆる部分を西村氏が自身で担当されています。
ブランドコンセプトは
「服にまつわる空気をどうデザインに置き換えることができるのか?」
毎シーズン、独自の哲学からユニークなテーマが設定され、洋服の可能性を引き出す服作りがされます。
シンプルでナチュラルながら、ワンポイントで効かせる、遊び心のあるデザインが特徴的です。
ただ「まずはコレクションのクオリティを高めたい」というデザイナーの意向もあって、店舗を拡大していくことはあまり考えていないようです。
実際、設立時にできた祐天寺のショップ以外に直営店はありません。
そういった方針ではありますが、高いデザイン性を評価され、メディア露出も増えており、感度の高いセレクトショップなどで少しずつ取扱いがされてきている人気ブランドになります。
DIGAWELのシャツ
そんなDIGAWELの「ワンポイントで効かせる遊び」というのが最も分かりやすく現れるアイテムはシャツです。
一見非常にシンプルなのですが、すぐに凝ったディテールに気づかされる小洒落た良作がたくさんあります。
ルックでも使われているこちらは、片側の袖にミリタリーなディテールが入った一着。
ジップ部分の生地はミリタリーとは全くイメージの異なるビビットカラーで仕上げられています。
差し色としても機能するこのディテールが非常にポップで可愛らしい印象を与える名作でした。
同じ袖の箇所で言いますと、このような感じでメッセージが記されているものも。
この”Keep cool, but care.”(クールであれ、でも思いやりも忘れずにね)というワードは、トマス・ピンチョンの作品『V.』(ブイ)から引用されたようです。
他にも襟台の部分に色が差されたものや、袖がリブになっているものなど、非常にたくさんのバリエーションがあります。
定番アイテムとして展開されていて、シーズン毎にどんな遊びの効き方がされるのか非常に気になる名作です。
先ほども申し上げましたが、遊びの利かせ方は種類も細かさも本当に幅広いです。
個人的にはこういう「袖や裾の端だけパイピング加工」のような、ほんの小さな差別化が好みだったりします。
誰もが原型というものをしっかり把握しているアイテムだからこそ、このワンポイントの遊び心が非常に効いてきます。
元々のシャツらしさを損なうことなく、綺麗な変化のついたウィットに富んだアイテムだと思います。
ディガウェルのファーストアイテムとしてもオススメです。
財布やデニムも
シャツが非常に有名なブランドですが、実は財布やデニムも名作の呼び声が高いアイテムの一つになります。
特に財布は「使いやすくて、飽きが来ず、経年変化も出る」という長年使える要素が凝縮されています。
もう財布はこれで生涯買う必要がない、という言葉も聞こえて来る程です。
デニムはストンと落ちるワイドシルエットのものからスリムなものまで幅広く展開されますが、特に加工はせず、リジッドのものが多いです。
流行り廃りのないアイテムですが、コインポケットの部分に耳が付いていたり、ちょっとした変化がディガウェルらしいアイテムです。
多くのブランドが展開する中でこのデニムを絶対に選べというのは難しいですが、値段も比較的安く、選択肢には十分入ってくるかと思います。
digawel 4
ちなみに実はDIGAWELにはもう一つのライン「digawel4」があります。
これは祐天寺に二つある店舗の片方で扱われています。
メインラインがテーマに沿ったデザインによるものである一方、こちらのdigawel4は、西村氏が突発的ないし瞬発的に作りたいと思ったものがデザインされるラインになっています。
ブランドを立ち上げた頃はテーマにそぐわないアイデアを押し殺していたようですが、「それはそれで健全ではないな」という考えから立ち上がったそうです。
こちらもまた是非チェックしてください。
DIGAWELは、ここで紹介した以外にも実はリュックサックなども人気で、メンズだけでなくレディースも展開しているブランドです。
是非探してみてください。
詳しいコレクションはこちら
http://www.fashion-press.net/collections/brand/2694