ヨウジヤマモト(Yohji Yamamoto) /デザイナー 山本耀司
1972年にY’s(ワイズ)を設立した山本耀司氏が81年にスタートしたハイエンドライン、ヨウジヤマモト(Yohji Yamamoto)。
「ヨウジ」等の愛称で呼ばれます。
デザイナーの山本耀司氏はオーダーメイドの洋装店を営む母親の下で育てられ、慶応大学法学部を卒業した後、文化服装大学で服作りを学びました。
コムデギャルソンの川久保玲氏もそうですが、日本にもたくさんいらっしゃるデザイナーの中でも、極めて高学歴なファッションデザイナーになります。
そんなヨウジとギャルソンの名が世界に轟くきっかけとなったのはパリコレです。
当時ダークすぎる反抗を意味する色としてタブーとされていた「黒」を全面的に押し出し、ボロ切れのようなルックを展開し、「黒の衝撃」という波紋を呼びました。
そのコレクションには賛否両論あり、「まるで広島の原爆を彷彿させるようだ」とフランスのファッション誌にはかなり煙たがられたそうです。
しかしその一方で大きすぎる爪痕を残し、街にはヨウジやギャルソンの黒い服で全身を纏った若者たちが溢れ、「カラス族」と呼ばれるようになります。
ヨウジの反骨精神漂うデザイン
「黒」というタブーに真っ向から向き合った表現で、見事モード界に革新を起こしたヨウジ。
その服作りは黒を基調としながらも、身体と服の間に空気を纏うような太いシルエットが特徴的です。
これも当時の「身体に沿ったシルエット」という常識を覆すことになりました。
こちらは2014ssのルックですが、テーマは「雨に濡れたような服」で、テーラードスタイルの固定観念を破壊した斬新さがありました。
これまでもドレープやレイヤード、素材の変化などで、常識を破壊して創造してきたヨウジ。
常にデザインの根底には反骨精神と言いますか、「脱構築」の意識が流れています。
「黒の衝撃」とは言っても、勿論モノトーンな色合いばかりという訳ではありません。
むしろシーズンによってはかなり多彩なバリエーションに富んだ柄がルックを彩っています。
モードな軸は外さず、大胆で少し暴力的、ヤクザな雰囲気を持つこちらのブランドは北野武(ビートたけし)さんを筆頭に愛用者の多いブランドになっています。
その骨太な作りによって、一つのサイズでかなり幅広い体格の人が着ることのできるヨウジヤマモト。
その人毎に異なる表情を見せ、シンプルなアイテムでも非常に味があります。
反骨精神の漂う少し強面なデザインも気に入られ、北野作品の衣装として頻繁に利用されています。
服作りのクオリティを重視する姿勢に、厳しい経済的状況が重なり、一度は破産(倒産)し、60億円の負債を抱えたことでも有名ですが、今でもしっかりブランドは存続しております。
ヨウジのデザインを担当される山本耀司氏ですが、2014年には「レアルマドリード」のユニフォームのデザインを担当するなど、世界的に名を轟かせるデザイナーです。
このセンスは簡単に揺らぐものではありません。
もし仮に会社がなくなっても、ヨウジのデザインは世界が放っておかないでしょう。
新ライン「Ground Y (グラウンドワイ)」をスタートさせるなど、「Y’s」のスタートから40年以上経った今でもなお勢いが強く、日本を代表する世界的なブランドである、ヨウジヤマモト。
幅広い年齢の人に着られ、それぞれの年齢層ごとに違った魅力を与えてくれます。
是非一度実物を手に取ってもらいたいと思います。
詳しいコレクションはこちら
http://www.fashion-press.net/collections/brand/42