the sakaki (ザ サカキ) /デザイナー 榊弘太郎
AUGUSTE-PRESENTATIONから独立した榊弘太郎氏によって、2012年春夏コレクションよりスタートしたメンズファッションブランド、「the sakaki(ザ サカキ)」。
テーラリングの基本を押さえながら、素材やシルエットなどのディテールから何かしら「和」のテイストが漂います。
最初の頃はふざけたお面姿や下着姿のモデルのルックブック起用で、顰蹙を買っていた頃もあったそうです。
しかし、洋服が一般的となっている現代で、改めて「和のテイスト」の復権を狙いに行くデザインは、すぐにストリートに拡散していきます。
2014awのルックでは、映画『アウトレイジ』などでの活躍で知られる悪役専門芸能商社「高倉組」に所属するプロの役者たちを起用し話題を集めました。
こういった悪人のような方々にハマる、少しヤクザなデザインもサカキらしい所かと思います。
和をモダンなストリートシーンに落とし込むドメブラ
そんなサカキですが、単純に「昔の和のテイストを再利用しよう」という訳ではありません。
「和」という形で表現される日本古来の服飾文化を、現代的かつモダンに昇華し、ストリートシーンのリアルクローズに落とし込んでいるのが魅力です。
ゆとりのある太めのシルエットがトレードマークで、アイテムの型自体は日本風の物でも、どこかしらストリートなセンスも漂います。
総じて面白いアイテムが多いのですが、サカキの人気を確固たるものにした名作がいくつかありますので、そちらを紹介します。
マウンテンパーカー
鼻まで隠れるほどの大きな襟、異素材MIX、オーバーシルエット。
様々な面白いデザイン要素を詰め込みながら、シームテープ処理で雨の侵入も防ぐ防水ギアでもあります。
取り外し可能なウール地のライナーも付いていて3シーズン対応できるのも嬉しいところ。
一般的なマウンテンパーカーとは一線を画すアヴァンギャルドな一着です。
スタジャン
おそらく最も有名なアイテムだと思います。
ストリート感溢れるビッグシルエットと刺激的な色合い。
それでいて素材はとても上品で綺麗なウールというバランスもかなりツボかと思います。
またボタンがリバーシブルで、ネックウォーマーやライナーベスト、フリースの前立てなど、別売りのアイテムで色々なカスタマイズも可能です。(2013aw~)
雑誌で窪塚洋介さんが着用されたり、eyescreamで取り上げられたりしたことがきっかけとなって爆発的な人気を誇ります。
一見癖の強い暴力的なアイテムに見えるかもしれませんが、着てみると意外な程いろんなアイテムと馴染んでくれるアウターです。
完売必至のアイテムですが、買う価値はあります。
the bang
日本の昔の服、襦袢(じゅばん)をモチーフに作られたアイテム、the bang。
夏場はメインで着れますし、丈感のおかげか、どのシーズンでも重ね着の際に非常に素敵なバランス感を生み出してくれます。
ニットや布巾などの素材で展開される定番アイテムですが、布巾などは値段も安めなので、エントリーモデルとしてオススメです。
imagi
名前通り「居間着」をテーマにテーラリングの要素を入れ、着物のようなシルエットと洋服のような着心地を体現したアイテムです。
こちらも定番アイテムで、お洒落で味のあるセットアップを探しているという方には持ってこいかと思います。
とにかくとても面白くて良い服です。
「ストリート感のある和のテイスト」、よければ是非一度手に取ってもらいたいと思います。
詳しいコレクションはこちら
http://www.fashion-press.net/collections/brand/3175