uniform experiment (ユニフォームエクスペリメント) /デザイナー 清永浩文、藤原ヒロシ
SOPH.co.,ltd.より2008年にデビューしたメンズクロージング(ユニフォーム)の実験的プロジェクト、uniform experiment (ユニフォームエクスペリメント)。
UEの愛称で親しまれ、遊び心を忘れないお洒落な大人たちのリアルクローズとしてストリートに顔を覗かせます。
ブランドアイコンの鍵が意味するように、新しい時代の扉を開くクリエイティブな発想を提案していくことをブランドのコンセプトとしており、
既存のルールに捕われない自由な発想によってシーズンキーワードをフォーカスし、グラフィックやカラー、マテリアルを駆使して個々のプロダクトを形成します。
服のデザインへのアプローチはやはりSOPHと非常に似通った部分があります。
画像は2013AWのスタイルですが、パッと見るだけでも色が変わっているスウェットのリブや、カラフルな靴下が視界に飛び込んでくるかと思います。
他にもジャケットの裏地や、ベルトの差し色、異素材になったシャツの襟など、ちょっとした変化でありきたりな一着とは一線を画すものになっています。
シャツでもパンツでもあまり基本的な型自体を外してくることはないのですが、その代わり柄や色という形で何かしらの遊びが効いてきます。
シーズンごとにフォーカスするテーマをどれだけ反映させるかが大きな差ですが、基本的な遊びの効かせ方はSOPHと似ていますので、是非そちらもご確認ください。
例えばこのシーズンは「カラーチャート」という柄がテーマとして使われていて、中々に他のブランドを寄せ付けない存在感を放っていました。
このカラーチャートのように、スタンダードな外見とは打って変わって、裏地にとてつもなく大胆な柄を潜ませるのはUEの十八番とも言える手法です。
表面化するとても主張の強い柄を、気付かれるか際どい裏地に配置して、ミニマムな外見でカモフラージュ。
しかし一度その柄が顔を覗くと、思わず二度見せずにはいられない徹底した派手さがあって、気づいて欲しいような気付かれたくないような、奥ゆかしい楽しみが出てきます。
靴のスタッズや柄やら、とにかくこのブランドのアイテムを身につけた日には、しばらく話題に事欠かないかと思います。
服から始まるコミュニケーションが好き、と言う方には持って来いのブランドです。
清永浩文×藤原ヒロシのコラボレーション
そんなUEについて少し説明しますと、
SOPHというブランドのデザイナー、清永浩文氏と、多くのブランドのデザインを手掛ける藤原ヒロシ氏のダブルネームがコラボレーションして生み出されたブランドです。
SOPHというとこれまたvisvimと同じように裏原系で一世を風靡したブランドの一つなのですが、そこに藤原ヒロシ氏の手が加わることでより一層洗練されたものとなっています。
自分はSOPHも好きですが、コレクション毎の世界観作りに藤原ヒロシ氏が噛んでいる妙なのか、やはりどちらかと言うとUEの方に惹かれてしまいます。
モノトーンなスタイルで攻めているシーズンもありますが、やはり色を使わずとも、意表を突いたミックス感の溢れるアイテムが多数提案されます。
ブランド名に「experiment(実験)」とあるだけあって、コレクション毎に様々な要素が取り入れられますが、そのテーマが好みとハマった時は、最高の一着が手に入ると思います。
社会現象になるほどの勢いを持っていた裏原で、常に最前線にいたお二人の化学反応、是非体感してもらいたいです。
UEのカッコよさが分かりやすい過去のコレクションの動画を貼っておきます。
UEの一点突破シャツ
そんなUEですが、やはり一番最初にオススメしたいのはシャツです。
お気付きのように、YAECAやcomoliのようなシンプルなものではなく、言うなれば完全な「一点突破」のアイテムです。
大体1シーズンに1型以上提案され、UEが好きな型はまず立ち上げの日にこれを買うというぐらいブランドのらしさが詰まったアイテムかと思います。
これまでの中からいくつか紹介していきます。
こちらは2016ssのキールックでもあるテープラインを用いた一着。
オムブレーチェックのボタンダウン自体はそれなりにありふれた型ですが、この無機質なテープラインが独特のセンスを足します。
大々的に打ち込まれ、ループしたブランド名も絶妙なストリート感を足すのに一役買っています。
こちらは2015AWモデル。
シンプルなシャツの左腕にブランドの象徴的ディテールでもあるスターマークを並べ、背面に野球のユニフォームを彷彿させるナンバリングを配したデザインが特徴的です。
原型のチェック柄の上から思い切って柄が重ねられたデザインは、ブランドらしいミックス感が滲み出ています。
こちらは2015SSのモデル。
脇下部分がメッシュ素材で切り替えられ、そこにブランド名が刻印されています。
汗をかきやすい季節に気の利いた通気性の高さで、機能性の面でもありがたいのですが、レタリングも相まってプラスアルファの働きをしてくれる一着です。
こちらは2014AWのモデル。
先ほどにもあった主張の強い柄同士のレイヤードというUEらしいアイテムです。
このシリーズは意外と服だけで見た時と実際に着てみた時の印象がかなり変わるのが特徴的で、一点でもインナーとしても意外とサラリと着ることができます。
この3つは2013SSから3シーズンにわたって展開されたカラーチャートを用いたシリーズです。
個人的にも一般的にも、これまでで一番大きなインパクトを残したと言っても過言ではないUEを代表するマスターピースかと思います。
説明の必要もない一点突破のアイテムでしょう。
参考までにカラーチャートが多用されたコレクションのムービーはこちらです。
こちらは2013AWのモデル。
ギンガムチェックベースのボタンダウンシャツの上に、オリジナルドットのプリントがランダムで配されたモデルです。
余談ですが、Mr.Childrenの桜井和寿さんが『Marshmallow day』の中で着用していた一着でもあります。
そして最新のコレクションからは上のルックでも着られているこちら。
様々に散りばめられたパッチワークが特徴的な一着で、UEらしい遊び心が効いています。
シーズンによって気分に合う時、合わない時はもちろんあるかと思いますが、中々に差をつけられる素敵なアイテムです。
全てのシャツに共通のディテールですが、裾のあたりの鍵のモチーフもちょっとしたアクセントになって効いてきます。
大体シーズンの目玉とも言える特徴的なシャツの価格帯は¥25000~というレベルで、正直かなり手を出すにはしんどい部分もあるかと思いますが、大事に使えば長く使えるアイテムなので奮発してみても良いかもしれません。
こうして紹介してきましたメンズファッションブランド、uniform experiment。
SOPHの直営店に行けば、SOPHNET、uniform experiment、F.C.R.B.のアイテムが全て一同に介していますので、世界観を堪能してもらえるかと思います。
興味を持たれた方は是非また調べてみてください。
公式サイトはこちら
http://www.uniformexperiment.jp/