LANVIN (ランバン)
1889年、ジャンヌランバンがフランスのフォーバルサントノーレでスタートした帽子屋が起源となる極めて歴史の長いブランド、LANVIN (ランバン)。
帽子屋から始まって、娘のドレス作りから親子服、そしてレディースブランド、という風に発展してきました。
東洋的なシルエットや民族的なディテールをいち早く取り入れ、古い美術や絵画からインスピレーションを受けたエレガントなスタイルが高く評価され、レディースブランドにおける評価を確固たるものとしていきます。
さらに25年に立ち上げた香水部門の「アルページュ」(27年〜)が大ヒットを収め、様々に事業を拡大していきます。
活躍が認められた創業者は、女性として初めてのレジヨン・ドヌール勲章を受勲し、パリ・オートクチュール協会の会長を務め、ファッション界に大きく貢献してきました。
彼女が引退した後もその時々の名だたるデザイナーを迎え、今に至るまでずっとブランドは継続しています。
ただブランド自体の創業が1889年でありながら、紳士服部門が立ち上がったのは1926年ということで、歴史的な観点から見てもブランド内のプライオリティーはレディースにあるブランドです。
この辺りはマルニと似ている部分も多いかと思います。
実はランバンのメンズが有名になったのはここ数年。
2005年にメンズラインのデザイナーにルカオッセンドライバーが就任したことが転機となりました。
エディスリマンに師事した彼は、優れた感性でこれまでの主流であったシャープなカッティングとは異なるラックスシルエットなどを提案します。
こうして一気に注目を集め、ランバンのメンズラインはパリ・メンズファッションシーンの中心に君臨するようになりました。
参照:http://www.fashion-press.net/brands/218
ランバンの絶妙な色合いと素材感
そんなランバンですが、色彩感覚も絶妙で、布地を染色する事によりランバン・ブルーやアーモンド・グリーン、琥珀色など、絶妙な色彩を作り出し、人々を魅了してきました。
特に透明感のある深いブルー、ランバン・ブルーを好み、多くの作品で使用されました。
ちなみにその色から名前をとって、日本で展開されているブランドが「LANVIN en Blue」です。
こちらはライセンス契約を結んで展開されているラインですのでLANVINのものとは異なります。
メゾンのラインとは2倍以上価格も変わってきますし、それなりのデザインなのでブランド欲しさに飛びつきたい人もいるかと思いますが、完全なる別物ですのでご注意ください。
少し話は逸れましたが、この絶妙な色の出方は流石です。
この色合いの実現にも一役買っているのかもしれませんが、素材への拘りも非常に強いブランドです。
厚みのあるシルクを使用した生地や、レザーとニットをボンディングした素材など、独特な取り組みで差別化を図ります。
また縫い合わせた際に内側に来る縫いあとやシームをあえて断ち切り、見えるようにするなど、熟練の職人の技も合間って生まれるデザインも特徴的です。
参照:http://www.perfetto-net.com/mens-blog/?p=2375
色合いと素材の次はシルエットです。
特にこのラックスシルエットは、ルカの就任以降にランバンがパリのメンズファッションシーンに台頭するようになったきっかけでもあります。
厳密には具体的にどんなものをラックスシルエットと定義するかは明らかではないのですが、「柔らかくふわふわと風をはらんで揺れる」シルエットのことを言うそうです。
これまでの「ザ・モード」と呼ぶべきスタイルとは外れた意外性もあり、気分という方も多いと思います。
定番アイテム、スニーカー
上に挙げてきたルックを見てお気付きの方も多いかもしれませんが、ルカオッセンドライバーが手掛けた数々の傑作のなかで、もっともアイコニックなアイテムの一つとして挙がるのが、ファーストシーズンから登場しているスニーカーです。
シックなデザインと適度なボリューム感が、ちょうど良い主張具合で幅広いコーディネイトに合わすことができる優れものになっています。
参照:http://www.honeyee.com/news/fashion/2013/005377/
分かりやすくランバンのスニーカーの良さが書かれた記事がありましたので引用します。
ランバンのスニーカーの魅力は、最先端のトレンドを取り入れながら、身に着ける人の個性以上に出しゃばることのない品格にあります。例えば細部へのこだわりと上質の素材が持つ質感。エナメルを塗って光沢を持たせたパテントレザーやビロードのような感触を持ったベロアなど、通常はスニーカーには使用しない意外性のある素材を使用。またブランドカラーのブルーなど色使いも絶妙で、スーツにも合わせやすい。伝統のカラーを取り入れたり、新しい素材を試したりするところなど、まさにレガシーとトレンドがうまく融合したシューズです。履いてみるとスポーツブランドのシューズとは一線を画した優雅さがあります。
引用:http://www.asahi.com/and_M/fashion/SDI2015082507181.html
これまで紹介してきましたのはクラシックなモデルですが、ランニングシューズのモデルもこれまた上手い具合にスポーツなセンスを効かせてくれます。
スラックスなどとも相性良くハマってくれます。
良いスニーカーというのは余裕の出てきた大人の一つの嗜みですが、このランバンのスニーカーであれば嫌味な主張もなく文句なしかと思います。
価格帯は大体7万円〜15万円前後ですので、多くのスニーカーとは一桁違ってくるような値段ではありますが、ウェアなどの値段を考えると一番手が出しやすいアイテムかもしれません。
こうして紹介してきましたブランド、ランバン。
中々手の出ない憧れのブランドにはなりますが、知っておいて損はありません。
フランスに旅行される機会でもございましたら是非また探してもらいたいです。
詳しいコレクションはこちら
http://www.fashion-press.net/brands/218