Carven (カルヴェン)
1945年、マダム・カルヴェンによってスタートしたフランスのオートクチュールブランド、Carven (カルヴェン)。
(2016 Resort)
155cmと小柄だった彼女が「自分のような女性のために」というスタンスで始めたこのブランドは、普通の女性でも買い求めることができ、オートクチュールの常識を覆しました。
その時代の女性たちのリアルスタイルを表現した自然なコレクションは一躍人気となります。
(2015 pre fall)
その後、デザイナーの引退もあって、人気が底打ちしてきましたが、2010年から大きな変革が起こります。
創業以来オートクチュール(高級仕立服)を主に売り出してきましたが、プレタポルテ(既製服)のみに絞ったブランド発信に方針を変えます。
そして2010年、デザイナーのギョーム・アンリ(Guillaume Henry)によって新生CARVENとして生まれ変わり、今のような爆発的人気ブランドとなりました。
カルヴェンのデザイン
カルヴェンのメンズコレクションでは、毎シーズン 「CARVEN MAN」 と言う一人の仮想の男性像がイメージされます。
そしてその男性のイメージに沿ったアイテムが展開されています。
例えばこのルックは2014ssの物ですが、このシーズンでは、フランスにある街 「ヴァロリス」(陶器などの芸術分野で有名) に住むアーティストをCARVEN MANと仮定してアイテムが展開されました。
2013awではパリに実在する高層ビルが並ぶオフィス街La Défenseを山に見立てて、その山へ出勤する男性像をイメージしたデザインがされました。
このように毎シーズン面白い着眼点でテーマが定められ、それに沿ったデザインがされていきます。
見るからにコレクションブランドと言えそうな独特のデザイン性を持ちながら、意外とスタンダードな着こなしに馴染んでくれる絶妙な服作りは、どのシーズンにも共通する特徴です。
また素材やデザインに拘りを持ちながらなるべく価格帯を抑えようとする姿勢は、オートクチュール時代の名残かもしれません。
カルヴェンのスウェット
そんなカルヴェンのアイコン的アイテムはこちらのスウェットです。
ちょっと芸術的でよく分からない抽象画をモチーフにしたデザインはウィットが効いていて面白く、一度見ると何か記憶に残ってしまうインパクトがあります。
知っている人には抽象画の方が分かりやすいのですが、ブランドのロゴが伝わりやすく入ったものもあります。
個人的には知っている人にだけ通じる方が好みですが、今の流れですとこう言った素性が分かりやすい方が人気なのかもしれません。
カッコイイかどうか聞かれれば応答に困りますが、まるでピカソの作品のような示唆的なアイテムであるのは間違いありません。
外しに一点あると面白いと思います。
カルヴェンのエントリーモデルとしてもオススメです。
カッティング、柄、色、ディテールに拘った洗練されたデザインと、抜け感のある遊び心。
独創的で可愛らしいブランドです。
是非また探してみてください。
詳しいコレクションはこちら
http://www.fashion-press.net/collections/brand/2231