BAND OF OUTSIDERS (バンドオブアウトサイダーズ)
2004年、スコット・スタンバーグ(Scott Sternberg)がスタートしたブランド、BAND OF OUTSIDERS (バンドオブアウトサイダーズ)。
LAを拠点とし、メンズ・レディース共に展開しているブランドです。
海外のブランドはデザイナーが自身の名前を冠してブランド名とすることが多いですが、こちらのブランド名の由来はジャン= リュック・ゴダールの映画『はなればなれに』の英題です。
60年代のフランス映画をこよなく愛するスコットが名付けました。
デザイナーは10周年を迎えることができた理由に関して、以下のように答えています。
バンド オブ アウトサイダーズを、ユーモアや映画、音楽といった様々な要素のプラットホームとして割り切って考えていたからでしょうか。ファッションに固執しすぎたり、自分の名前を掲げたりしたブランドではないところがポイント。
引用:http://www.fashion-press.net/news/8338/2
またブランド名に映画作品の名前を当てたり、服のデザインに映画の要素を落とし込んだりするのには理由があります。
それはデザイナーがブランドを立ち上げる以前にハリウッドの映画エージェンシー「CAA(Creative Artists Agency,L.L.C.)」で働いており、非常に造形が深い分野であるからです。
そして当時はちょうどインターネットが普及し始めた頃で、自分から何かを発信する手段の一つとして「ブランドを持つ」という手段に惹かれたと言います。
でもそれまでは、服を作れるなんて思いもしませんでした。むしろそんなの退屈だと思ってましたね。でもたくさんの人に会って、服作りについていろいろなことを聞いて回っているうちに、ファッション業界の多様性や、志を持つ者に開かれる門戸の広さに気付いたのです。それに、セレクトショップもバイヤーもエディターも皆この業界の人々は新しいものを見たがっています。これらのことが、私の頭の中で重なり合って、そして考えてるうちに、自分のブランドの方向性を見出したのです。メンズウェアで、名前は「バンド オブ アウトサイダーズ」で…てね。
引用:http://www.fashion-press.net/news/8338
定番アイテム
そんなバンドオブアウトサイダーズですが、設立当初はシャツ・タイという二つのアイテムに絞った展開をしていました。
最初に拠点と決めたLAで手に入るのがヴィンテージの生地ばかりであったことがその2アイテムが選ばれた理由だと言いますが、
そこからあれやこれやと手を出さなかった所に、スコットらしい考えが現れています。
“Focus!”全部一遍にやろうとしてはいけません。キャリアの浅いうちにコレクションをフルラインで作るのは難しい。金銭的な面での困難もありますが、例えできたとしても優れた物に仕上がるかは疑問です。だから、まずは何かのエキスパートになってからの方が結果として近道のような気はしますね。
引用:http://www.fashion-press.net/news/8338/2
ボタンダウンシャツ
実はデザイナーがファッションビジネスに身を投じる前、古いブルックスブラザーズのボタンダウンシャツを分解し、自ら縫製し直してタイトに着ていたというエピソードがあるそうですが、
そんな彼のルーツとも言えるアイテムで、コレクションを切り開いたアイテムでもあるのがこちらのボタンダウンシャツです。
短い着丈はパンツにインせず着ることを計算したバランスで、小振りな襟は顔周りにクールな表情を与えます。巧妙な工夫は、裾のサイドを大きくえぐった曲線カットにもあり。裾を出して着ても長く美しいカーブによってシャープなムードが生まれます。そして、このシャツの最重要ディテールが、背面のプリーツ&ダーツ。アメトラの伝統であるセンターのボックスプリーツに加えて、腰部分に2本の背ダーツを取り、ウエストをギュッと絞っています。しかもボディがタイトなのに肩幅は広めですから、イタリアのシャツのようなセクシーさも匂うのです。
引用:http://www.pen-online.jp/feature/fashion/close-up-band-of-outsiders/2/
野暮ったさがなく、シャープに着てもらえるスッキリしたアイテムではありますが、現実主義者のデザイナーは着心地も抜け目なく追求していて、見た目以上に着やすい良作です。
現行のシャツにはこの型を原型にした物も数多くあると言います。
値段は¥27,000~¥30,000程度。
スーツ
シャツ、タイ作りから始まり、「ドレス」というベクトル上でごく自然に次のアイテムに選ばれたスーツもブランドを代表する定番アイテムです。
このスーツ作りに関しまして、デザイナーはニューヨーク・ブルックリンにハンドメイド工場を持ち、テーラー歴50年、ブルックリンで100年以上の歴史を誇る伝説のテーラー職人「マーティン・グリーンフィールド」からテーラードを本格的に学びます。
今でもバンド オブ アウトサイダーズのスーツは、マーティンに依頼し、上質なテーラリングをベースにスコットの新鮮な解釈とアイデアを織り交ぜ提案されています。
伝統の世界に生きる職人たちが担保する質の高さと温かみを大事にしながら、そこにスコットの新しいセンスが加えられ、「ニュークラシック」な雰囲気があります。
「ベーシックなものが好きだけれど人と同じは嫌だ」というタチの悪いこじらせ方をしている服好きには持ってこいかもしれません。
こうして紹介してきましたブランド、バンドオブアウトサイダーズ。
2015SSより一度活動を休止していましたが、また2017SSより活動を再開するということで、期待が高まります。
是非また実物を探してみてください。
詳しいコレクションはこちら
http://www.fashion-press.net/collections/brand/553