ALEXANDER WANG (アレキサンダーワン)
2004年、デザイナーが自身の名を冠して設立したNY発のブランド、ALEXANDER WANG (アレキサンダーワン)。
デザイナーは1984年生まれの台湾系アメリカ人。
18歳の時にデザインを本格的に学ぶためにニューヨークに移り、パーソンズデザインスクールへ入学。
在学中にMarc Jacobs(マーク・ジェイコブス)、Derek Lam(デレク・ラム)に師事、そしてTeen Vogue(ティーンヴォーグ)でインターンを経験した後、20歳となる2004年に自身のブランドを設立します。
「4~5歳の頃から母親のショッピングにくっついて行っていたし、9歳の時にはミシンをねだって買ってもらった」という彼は、周りにファッション関係の人間がいた訳ではありませんでしたが、
幼い頃から服のリメイクやデザインに取り組んでおり、15歳の時には既に兄嫁のために35着のドレスをデザインしていたと言います。
ファーストコレクションは2005AW。
ワンシーズン目はニットアイテムメインのコレクションでしたが、それがニューヨークのBARNEYS NEW YORK(バーニーズ ニューヨーク)に買い付けられ話題を集めます。
当時まだアレキサンダーワンは大学二年生でしたが、「今やらずにいつやる」と意気込み、大学中退という形でこの世界に入り込んだそうです。
そして2007SS、ニューヨークコレクションにデビューし、全世界で200店舗にも及ぶストアにて展開されるようになります。
2008年11月には、第5回「CFDA/Vogue Fashion Fund Award」のグランプリを受賞し、その後も数々の栄えある賞に輝いています。
実は元々レディースブランドとして始まったブランドですが、メンズコレクションが始まったのは2011年。
後にも紹介します「T by Alexander Wang」というラインで初めて展開されました。
アレキサンダーワンのデザイン
エッジの効いたデザインながら日常性を感じさせるリアルクローズとして評価されるブランドですが、その詳しい記述は以下の引用をご覧ください。
“着飾ることで誰もがグラマラスになることはできます。ただ、わたしがもっと興味をそそられるのは日常で人々が着る服なのです。”とデザイナー Alexander Wangは語る。
コレクションを形づくるのは、日常の中にふとした瞬間浮かび上がる人々の真の姿。それは、クリーンでいてクラシカル。上質さと都会の感覚を持ち合わせた挑発的な魅力。
「 Alexander Wang」を身にまとう女性の姿はあくまでも自然でポーズをとるようなことではない。言うならば、人ごみの中に紛れた黒い羊のよう、つねに人を インスパイアし、どこかミステリアスな女性。
Alexander Wangのクリエイションは人の個性を支えるものであり、従来のユニフォームという概念を崩すものである。
それは、T シャツとジーンズというスタイルでもイヴニングガウンと同様にセクシーでいられるということである。
彼の洋服は着る人にとって必須のものとなり、その人自身となる。また、 Alexander Wangはストリートと上質、セクシーさとアンドロジナス、 バガボンド(浮浪者)とスマートなモダニストといったように対照するコントラストを愛し、コレクションで表現 している。
引用:http://www.fashionsnap.com/dictionary/alexander-wang/
上の引用はレディースブランドとしての記述ですが、メンズにおいてもそのコンセプトやデザイン指針は相違ないでしょう。
上のルックでもブルーカラーの制服(ワークウェア)を美しいテーラリングで仕上げたり、対照的なエッセンスのコントラストを利かしたデザインは顕著です。
またHBAやリックオーウェンスなどと共に「ストリート・ゴス」の流れを牽引してきた存在でもあります。
そういったところで、モード感のあるストリートテイストを好む方には打ってつけのブランドかと思います。
アレキサンダーワンの名作、リュックサック
そんなアレキサンダーワンの名作と言いますと、リュックサックが挙げられるかと思います。
「どこへ行くのにも必ずバックパックを持ち歩く」というデザイナーのミニマムなセンスが溢れるアイテムとなっています。
ボックス型のデザインやポケットを複数配置したものなど、幾つかの型がありますが、
どれもシンプルながらエッジが効いていて、モノトーンのコーデに合わせても強い存在感を感じさせます。
素材はレザーばかりでなく、ナイロンを用いた少しカジュアル志向なものもあります。
しかし素材が多少カジュアルでも、漂うモード感と近未来感は流石と言えるでしょう。
価格は10万円前後とやはり値が張りますが、選択肢の一つに入れてもいいかもしれません。
最後は別ラインの紹介をしていきます。
T by Alexnader Wang
最初の方の引用にもありましたが、「T シャツとジーンズは、イブニング ドレスと同じくらいセクシーでスタイリッシュになりうる」
というアレキサンダーワンが考える前提の下に、2009SSより展開されているベーシックアイテムラインです。
一応はセカンドラインとしての扱いがされており、「より日常に取り入れやすいデイリーウエア」というコンセプトにTシャツやカットソーなどのアイテムを中心に取り扱っています。
Denim x Alexander Wang
こちらは2015SSより始まったデニムラインです。
自身にとってもパーソナルなアイテムであるというデニムを、洗練された技術で仕上げたヴィンテージ感のある一本に仕上げています。
シルエットは「WANG 001(slim)」「WANG 002(relaxed)」「WANG 003(boyfit)」の3型で、基本的にレディースメインの展開ですが、今後メンズの展開もあるかもしれません。
こうして紹介してきましたブランド、アレキサンダーワン。
是非また実物を探してみてください。
詳しいコレクションはこちら
http://www.fashion-press.net/collections/brand/273