ISSEY MIYAKE (イッセイミヤケ) /デザイナー 三宅一生
1970年にデザイナーの三宅一生氏が設立した「三宅デザイン事務所」を元にし、71年にニューヨークでコレクションを発表したブランド、「ISSEY MIYAKE(イッセイ ミヤケ)」。
デザイナーの三宅氏は広島で生まれ、7歳の時に被爆。
そこで母を亡くしてしまったことがきっかけで、「破壊されてしまうものではなく、創造的で、美しさや喜びをもたらすもの」をテーマに衣服作りを志向することになりました。
日本のブランドの中では、コムデギャルソン、ヨウジヤマモトと共に、三大メゾンの一つとして考えられますが、
イッセイの三宅氏は他二つのデザイナーとは異なり、パリでオートクチュール(高級仕立服)を学び、メゾンのアシスタントとして働いていました。
また68年、そこで五月革命に遭遇したことがきっかけとなって、多くの人のための服作りを目指すようになります。
「一枚の布」
そんなイッセイの服作りにおいて、根本に流れ続ける一つの発想がこの「一枚の布」です。
これはインドのサリーや日本の着物などから着想を得た、一枚の布を身にまとうことで完成する衣服およびそのコンセプトのことを言います。
基本的に身体のラインに沿って立体的に成形される西洋の衣服とは対照的に、「一枚の布」では、平面状の布をたたんだり、折ったり、切ったり、くり抜いたりすることによって、布を衣服たらしめる構造にします。
三宅氏は、このコンセプトのもと、西洋や東洋といった概念に捉われない普遍的な価値をもった衣服を生み出すことを目指してきました。
「プリーツプリーズ」
「A-POC」
93年にスタートした「プリーツ・プリーズ」や、98年に発表された「A-POC (エイポック=A Piece of Cloth)」等のシリーズは全て「一枚の布」の概念から生まれたものです。
これらのセンセーショナルな取り組みでイッセイは世界的な評価を受け始めます。
ブランドの代名詞とも言えるプリーツは今でも人気で、「PLEATS PLEASE ISSEY MIYAKE(プリーツ プリーズ イッセイ ミヤケ」というラインが存在します。
あのPerfumeの三人が着用されたことでも話題のアイテムですが、レディースばかりでなくメンズも存在しますので、ご安心ください。
HOMME PLISSÉ ISSEY MIYAKE
それがこちらのライン、「HOMME PLISSÉ ISSEY MIYAKE(オムプリッセ イッセイミヤケ)」。
もうこのブランドを語るにあたって、大本命と言えるラインでしょう。
価格帯 (相場)
Tシャツ ¥20,000~40,000
カーディガン・ジャケット ¥40,000~90,000
パンツ ¥35,000~60,000
価格は柄や型によってかなり前後致します。
当然無地もカッコイイのですが、一旦柄物を見てしまうと、これまた派手なだけでなく独特の良さがあり考えさせられてしまうかと思います。
元々シワが入っていることを逆手に取るといいますか、逆にぞんざいに扱った場合でも普通の服にありがちなシワに対する心配が少ないのも魅力の一つかもしれません。
そういったところで旅行に行く時に持っていくという方も多いのだとか。
一本の糸からオリジナルで作り込む意味でも「一枚の布」と言えるイッセイの一着は、シンプルでミニマルでありながら新しさがあります。
是非着こなしの変化に使ってみてはいかがでしょうか。
バオバオ (BAO BAO)
イッセイと言えばこちらのアイテム、「バオバオ」も。
こちらは無数の三角形によって構成されるインパクトのあるバッグです。
見た目からは予想のつかない軽さと柔らかさで、入れるものによって自由自在に変形する新たなバッグです。
光の当たり方で絶妙に反射が変わり、場所ごとに異なる表情を見せます。
定番のトート以外にも、リュックやメッセンジャーなど、色々な種類が存在します。
フレキシブルで他に例を見ないイッセイらしいアイテムですので、是非狙ってみてください。
小物で言いますと時計も展開されますが、文字盤の情報量が少なすぎる極めてミニマムなデザインです。
無駄を極限まで削ったモードさがありますので、腕周りの美しい装飾品としてはベストかと思います。
これまた余談にはなりますが、Appleのスティーブジョブズ氏が着ていた黒のタートルネックはイッセイの別注物だったことで有名です。
ミニマリストのようで実は相当な拘りを持っていたジョブズ氏。
そんな彼が自身のユニフォームとして選んだ一着がイッセイの物であった事実は、話のタネにもなりますし、何より高い品質を裏付けてくれます。
今では数々のブランドが生まれている日本のファッション界ですが、間違いなくその歴史を切り開いてきたブランドの一つ、イッセイミヤケ。
「普遍的でありながら新しい」という、言葉の表面だけ追うと完全に矛盾していそうなデザインが素晴らしいブランドです。
是非一度実物を手に取ってみてください。
詳しいコレクションはこちら
http://www.fashion-press.net/collections/brand/6