kolor(カラー)|素材の魔術師、阿部潤一がデザインするブランド

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kolor (カラー) /デザイナー 阿部潤一

コムデギャルソン出身のデザイナー、阿部潤一氏が2004年に設立したファッションブランド、kolor (カラー)。

現在では実の妻である阿部千登勢氏の手掛けるsacaiと共に、日本を代表するブランドの一つとなっています。

ブランドコンセプトは「素材、パターン、価格、時代性など色々な角度から見て一番良いバランスだと思えるもの、そして一つのアイテムで完成するもの。リラックスしたムードをもっていること、でも安っぽくないということ。」

2019AW

自分もこのサイトで非常に多くのブランドを紹介していますが、ある程度服にお金が割くことができるようになって以降、kolorとsacaiは別格なぐらい大好きなブランドです。

服好きの方であればおそらく皆そうかとは思うのですが、別に今ある手持ちの服で確実に去年まで生活できていた訳で、極限的には服を買い足す必要性は無い訳です。

ある程度ワードローブの定番のピースも定まってきて、「今からここに入り込むには相当な服力が必要だよ」と斜に構えながらルックを見たりされるかと思うのですが、本当にここは毎シーズン完全に他とは違う服作りをされていて、こう来られたら買うよな、、と唸らせてくれます。

デザイナーの阿部氏は、その斬新な素材使いから「素材の魔術師」の異名を取り、後にも紹介しますが、ダンボールニットやナイロン混のウールなどを筆頭に、非常に珍しい素材使いを生み出してきました。

2020AW

ダンボールニットなどは最近kolor以外のブランドでも使用される機会が増えましたが、数年前は完全に目新しい存在で、ファストブランド・メゾンブランド問わず、様々なブランドから目を付けられ模倣されている存在に相違ありません。

おそらく服に一切興味がない人でも、「この服がその他の既製品とは一線を隠す何か違う存在」であることはひしひしと伝わってくるはずです。

逆に言えば、これまで一通り服を見てきたという人にとっては相当突き刺さるセンスで、実際にあの祐真朋樹氏を筆頭とする数多くのスタイリストから支持されています。

「一般的な服はどういう物で、世に溢れている物はどんな物だ」という事実を知っているからこそ、そこからの隔たりが心地良く、堪らない。

そんなブランドです。

素材と加工の妙が現れる名作アイテム

2020AW

kolorの服はよく「大人のカッコよさ」と表現されます。

最近は様々なアイテムを元に切り繋がれた再構築のトップスや上のルックのようなニットなど、sacaiと共に目に飛び込んでくる目立ったアイテムも多いですが、やはりボトムスなど筆頭にルックの中でそれらを支えているアイテムも抜群に渋いです。

あまりそれ単体で目立ちすぎることはないのですが、それでいていわゆる通説の型と比べると確実に異質で、綺麗に馴染んでくれる。そんな「ちょうど良いカッコ良さ」を提案してくれるものもたくさんあります。

そんなkolorの代表的な素材や加工を、アイテムと共に見ていきます。

ナイロンカバリングカーディガン

kolor ナイロンカバリングカーディガン

まずはその名の通りナイロンでカバーしたウールを編み込んだ「ナイロンカバリング」という特徴的な素材を用いたカーディガンです。

自分も当時メンズノンノで一点突破アイテムの一つとして挙げられていて興味を持ちましたが、まだ写真だけではそれほどイメージが湧かず、ただ実物を見て着用すると思っていた何倍も魅力的なアイテムであることが分かりました。

ウールとナイロンという二つの素材、この二つが混ざり合うことで具体的にどう変わるのか言葉では表現しにくいですが、強いて言うならば、生地のテンション感が非常にイレギュラーになります。

結果としてウール単体もしくはナイロン単体では絶対に成立しなかった合間で服が止まり、独特のシャリ感やドレープ感が生まれます。

最近硬めの素材で、常にフラットでソリッドな服も生まれてきていると思うのですが、伸びた時と縮んだ時、その中間を表現できる服は本当に少ないのではないかと思わせてくれます。

なので静止画一枚で語りにくい部分もあるのですが、ワントーンコーデでもこれ一つ羽織ればそれだけで差別化が図れるブランドを代表するロングセラーのため、是非一度着用してもらうことをオススメします。

ダンボールニット

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こちらもkolorを代表する素材でありアイテム、ダンボールニット。(写真はダンボールニットを用いたミリタリーアウターになります。)

ウールダンボールは、2枚の生地をつなぎ合わせたウール素材で、ダンボールのような断面構造にすることで、生地と生地の間にできる空気層に体温の温もりを蓄えることができ、柔らかさと軽さを両立した素材になります。

ウールと言いながらも素材感的にはむしろスウェットに近いような印象で、この表現が合っているかは分かりませんが、どこかおもちゃのような可愛らしい雰囲気が漂います。

ことアウターに関して言いますと、多少の柔らかさ・印象に差こそあれ、カッチリと決まった型・形式を留めているものが多いと思います。

そういうところで、この絵本から飛び出てきたようなファンシーでどこか脆さも感じる、この空気感のアイテムはおそらく他を探しても簡単には見当たらないでしょう。

ボンディングスウェット

kolor ボンディング加工パーカー

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これは表地と裏地を張り合わせるボンディング加工が施されたスウェットです。

画像はパーカーですが、このボンディング加工自体はアウターなどその他色々なアイテムに使われています。

丸みのある立体的なシルエットを可能にし、可愛らしいボリューム感が生まれます。

雰囲気的にまさにkolorという感じのイットアイテムなのは間違いなく、ダンボールニットがお好きな方は確実にこちらも好きかと思いますので、アウターが値段などでハードル高いと言う方には、この辺りから入ってみるのも一つの手かもしれません。

エバーチンツ加工

カラー チンツ加工

こちらはアイテム単位ではなく、加工単位のご紹介ですが、ダンボールニットなどの可愛らしいものとは別で、どちらかというとナイロンカバリングのような綺麗な印象のものになります。

チンツ加工とは、綿の平織りの織物に、ろう引きあるいは厚糊をつけてから、フリクション・カレンダーに通すつや出し加工の一種なのですが、このエバーチンツ加工は、半永久的に光沢がある加工のことで、ナイロンのような光沢とすべすべとした触感があります。

仕組みは全く分からず中傷する気は全く分かりませんが、マルイブランドのような光沢感とはまた異質で、安っぽさは一切なく、単純に「良い服なんだろうな」という情報を与えてくれます。

パッカリングパンツ(ブサイクパンツ)

kolor パッカリングパンツ

そして最後はこちらkolorでも定番の手法、パッカリング(うねり加工・縫い)を利用した名作パンツ、「パッカリングパンツ」です。

カッコ良すぎることを良しとせず、絶妙なバランスこそをよしとするkolorらしいアイテムで、その逆説的な魅力を捉えて「ブサイク・パンツ」とも呼ばれます。(ユナイテッドアローズの栗野宏文氏が命名されたそうです)

この加工がサイドラインのように入れられており、太めの見た目ながら、実際に履いてみた時の立体感や雰囲気が高く評価されている一本です。

細かくて別に一頻りトップスまで着ると外から見える部分ではないのですが、フロントのホックもかっこいいですよね。

またこれはパッカリングパンツだけでなく、kolorのパンツ全般に言える内容になるのですが、そもそも欧米人とアジア人はお尻の骨格が全く異なるそうです。

太もものハムストリング(裏側)の筋肉が発達している欧米人の骨盤は前傾していて、結果お尻が後ろに出ている(奥行きがある)ようなのですが、

一方で日本人を筆頭にハムストリングの発達していないアジア人は骨盤が真っ直ぐで平たいお尻のため、欧米人のボトムスの型に合わせても、日本人には似合いにくいそうなのです。

そういう構造的な部分も加味して、日本人が一番綺麗に着られるように上手く保管しながらパターンから作られているので、kolorのパンツは評価されているのかもしれません。

kolor / BEACON

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またkolorにはそのセカンドラインという訳ではないのですが、「kolor / BEACON」というラインがあります。

こちらは毎シーズン、コレクションという形で発表されるメインラインとは別に、シーズンに囚われないコンセプトに捉われない自由な服作りがされるラインになります。

統一したコンセプトは存在せず、ブランド独自のフォルムや素材使いを継承しつつ、デザイナーの阿部潤一氏が好むテキスタイルやディテールなど、自由な感性で表現されていて、シンプルな素材や付属使いが特徴となりますので、宜しければ是非調べてみてください。

参照:https://www.fashionsnap.com/article/2012-11-27/kolor-beacon/

2021SS

こうして紹介してきたブランド、kolor (カラー)。とにかく素敵なブランドです。

また是非一度実物を探してみてください。

詳しいコレクションはこちら

http://www.fashion-press.net/collections/brand/308

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ABOUT管理人

げんするー

鈴蘭幼稚園卒。神戸大学経済学部卒。
市民レコード職員。
所得を弁えず覚悟だけで服を買っていく人生。
売れ線の音楽とアニメを嗜むミーハー。
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