JOHN LAWRENCE SULLIVAN (ジョン ローレンス サリバン) /デザイナー 柳川荒士
2003年にデザイナーの柳川荒士氏が設立したブランド、JOHN LAWRENCE SULLIVAN (ジョン ローレンス サリバン)。
シルエットと溢れるモード感から、数あるドメブラの中でも高い知名度を誇るブランドです。
元々メンズブランドとしてスタートしましたが、2010SSよりレディースラインも立ち上がっています。
まずこの「ジョンローレンスサリバン」というブランド名ですが、これは伝説のプロボクサーの名前にちなんだものになっております。
何故ボクサーの名前がブランド名に用いられているかの理由は簡単で、実はこのサリバンのデザイナー、柳川 荒士氏が元々プロボクサーであったからです。
アマチュア時代に三階級制覇も成し遂げ、あの具志堅さんに実力をかわれたことでプロ入りを果たした鳴り物入りの実力者だったのですが、フライ級として4年間リングに立った後に引退。
引退後、予てから興味のあった洋服販売を始め、ロンドンで古着の買い付けを始めます。
そこでイギリスファッションに影響を受け、「自分でも良いジャケットを作りたい」と考えたのがこのブランドの始まりと言われています。
ボクシングの魅力を「美しく、シンプルで、奥が深いこと」と語る柳川氏にとって、服作りも本質的な部分でかなり似通った存在であったのかもしれません。
ブランドコンセプトは「強さとエレガントさを持ち合わせた男性像」。
テーラードを軸として、芯のある美しさを持ったアイテムが展開されます。
どのアイテムもミリ単位でこだわりを持って作られており、非常にシルエットが綺麗なのが特徴でもあります。
サリバンのジャケット
そんなサリバンにとって、ブランドの起源とも言えるアイテムがジャケットであったこともあり、
「ドメブラでテーラードジャケットと言えば」という問いに対して、おそらく真っ先に名前が上がるのではないか、と言えるほどジャケットに定評があるブランドです。
こちらはブランドの設立当初にデザインされ、そこから毎年ディテールをブラッシュアップされ、現在も未だ改良され続けている、「完璧な未完成品」とでも言うべき一着です。
老舗のテーラーが並ぶイギリスのサヴィル・ロウ通りをイメージソースに、日本人体型にマッチさせた再構築が加えられています。
昨今のトレンドは専ら短丈ですが、サリバンのジャケットはクラシカルな本場の流儀も大事にしているため、短すぎず、長すぎず、絶妙な所を突いており、飽きが来ないデザインになっています。
こちらはバックシルエットですが、息を呑むほど美しい曲線美が描かれています。
これもミリ単位で計算されたウエストシェイプの妙な訳ですが、仮にあまりジャケットに興味がなかったとしても、何となくこの凄みは理解できるのではないかと思います。
ナローラペルや1つボタンなどのディテールに気づいたという方もいるかと思いますが、他にも7mm傾斜の肩線がもち上がった「ビルトアップショルダー」など、細かい部分で色々なこだわりが詰まっています。
オーソドックスな型以外に、シーズン単位での展開もありますので、そちらも見てもらいたいです。
ただ取り分け定番のジャケットに関しましては、伝統的な英国テーラードを基盤に、優雅さ、強さ、美しさを非常に大切にするブランドらしさが詰まった至高の一作となっております。
価格はジャケットが75000円前後、スラックスが30000円前後。
サリバンの名作アイテム
ライダースジャケット
ジャケットが最も有名な名作であるのは否定できませんが、その他にも幾つか特筆すべきアイテムがありますので紹介していきます。
まず一つ目は間違いなくこちら、ライダースジャケットです。
価格は10~16万円前後。
無駄が極力省かれたミニマムなデザインで、しっかり絞られたタイトなシルエットには、紛れもなくテーラードの要素が含まれていて、ブランドらしさが反映されています。
そういったところで、シンプルにスラックスなどとの相性も抜群の一着ですので、綺麗に着られるレザーの定番と言えるかもしれません。
トライアングルネックレス
こちらは小物。
トライアングルの形をしたネックレスです。
このシンプルで幾何学的なセンスが絶妙にモードで、トップスの上から簡単につけるだけで良いアクセントになります。
知っている人が見たらすぐにサリバンのアイテムと分かるシグナリング的な意味合いも持ったアイテムでもあります。
チェスターコート
やはりテーラードなアイテムが強いことを感じさせる一着、チェスターコートです。
ブランドのコンセプトとも合致した強さとエレガンスさを兼ね備えた一着です。
価格は10万円前後。
先ほどのルックの着こなしでも提案されていますが、懐の深さも魅力的です。
ストリートな着こなしのハズしにも使えますし、もちろんドレスライクな着こなしにも対応できます。
このアイテムだけでなく、モードで綺麗な雰囲気がありながら、しっかりストリートミックスにも対応してくれるのがこのブランド自体の人気の理由のようにも思えます。
こうして紹介してきたブランド、ジョンローレンスサリバン。
非常にシンプルでありながら、研ぎ澄まされたモード感があります。
細身なアイテムだけでなく、ワイドなシルエットも入れたり、デザインのエッセンスとしてスポーツやミリタリーといった旬の要素をコレクションに加えたり、
メリハリの効いた提案が魅力的です。
鮮やかな色合いも素敵です。
是非チェックしてください。
詳しいコレクションはこちら
http://www.fashion-press.net/collections/brand/179