Name. (ネーム)/デザイナー 清水則之
2010年に海瀬亮氏が設立、2011ssコレクションよりスタートしているブランド、Name. (ネーム)。
海瀬氏は同ブランドの代表取締役(ディレクター)であり、デザイナーはコムデギャルソン(ジュンヤワタナベマン)出身の清水則之氏が務めています。
ブランドコンセプトは「複製技術時代の芸術作品」
日常の中に潜む本質、変化、進化をデザイナー自らパターンに落とし込み、スタンダードになりがちなアイテムを、時代にそって解体、再構築を繰り返し、アイデンティティーを感じさせる洋服を提案しています。
コンセプトにあるように、基本的な型から抽出された本質が時代に合わせて見事にモダナイズされたアイテムは、非常に独特のセンスがあり、
モードとストリートの中間に位置するような絶妙なバランス感覚を持っています。
最近では雑誌などに掲載する機会も増えており、ストリートシーンでも感度の鋭いユーザー達を筆頭に着々と採用されてきています。
元々メンズブランドとしてスタートしましたが、中性的で可愛らしいデザインも魅力的なこのName.は、2015awからレディースラインの展開も始めました。
またデザイナーの清水氏は、2016年度の東京ファッションアワード(TFA)において、世界中の様々な服を見てきた著名バイヤーたちから高い評価を受け、
見事デザイナー部門の受賞者となっています。
これからもより一層活躍の幅を広げていくことになるでしょう。
スリーピースセットアップ
そしてそんなName.を代表する定番アイテムといえばこちら、スリーピースセットアップです。
ジャケット、スラックスという最小単位で成立するセットアップはどこのブランドでも展開されますが、ここではベストも含めた味のあるスリーピースを提案してくるのが特徴的です。
Name.のスリーピースにおけるベストは「セットアップの三枚目」というような堅苦しいものではなく、それ単体で着れてしまうお洒落なトップスとして活躍します。
一般的なベストに想定されるボタンの前立てを抜本的に再構築し、汎用性の高いジップでモダナイズしたのが技アリです。
インナーとしてもアウターとしても輝ける都合の良いアイテムです。
シーズン毎に生地感やジップの配置などが異なるため、是非自分のお気に入りの物を見つけてあげてください。
愛すべきフックのディテール
スリーピースということで、目新しい差を付けるのがベストであるとは言え、やはりセットアップの顔と言えばジャケットになります。
そしてこのブランドは、ジャケット(コートなどの一部のアウターも含む)の襟元に決まったディテールが存在します。
それがこのフックです。
どこのブランドでも展開されるジャケットですが、視覚的に一目瞭然なディテールはほとんど存在しません。
何か目立った装飾を施してしまうとそれが逆にダサいということも十分あり得るぐらいジャケットは繊細なアイテムです。
しかしName.のジャケットはこのフックというディテールによって、決して埋もれない存在感を持った一着に仕上がっています。
ウール系の素材感の中に一点メタリックな異素材が入ることでウィットも効いていて非常に素敵なアイテムです。
是非、ここでは取り立てて紹介しなかったスラックスも含めてスリーピースでどうぞ。
「Tomo & Co(トモ アンド シーオー)」とのコラボシューズ
またセットアップ以外にも、2015ssから始まった「Tomo&Co(トモ&シーオー)」とのコラボシューズも人気の定番アイテムです。
エアソールのディテールがミックスされた靴は、スポーツサンダルからスニーカーに至るまで多くの型で展開されています。
同質化しがちな夏場の足元を、少しフューチャリスティックに差別化したいという方には打ってつけの一足かと思います。
こうして紹介してきたName.ですが、見事に現代的な感覚にマッチした素敵な服が作られているブランドです。
ちょっと味のある技アリの一着は、男女問わず愛されること間違いなしです。
是非また探してみてください。
公式サイトはこちら