AURALEE (オーラリー) /デザイナー 岩井良太
様々なブランドでパタンナーやデザイナーとして活躍してきた岩井良太氏が、2015SSからスタートしたブランド、AURALEE (オーラリー)。
ブランド名の由来はエルヴィスプレスリーの名曲「Love Me Tender」の原曲にもなったアメリカの古い民謡「AURA LEE(オーラ リー)」だそうです。
まだ(2016年現在)スタートから2年と経たないブランドですが、デザイナーの岩井氏がフィルメランジェ*の元デザイナーとして有名だったこともあり、立ち上げから注目されていました。
*フィルメランジェとは
2007年の春、FilMelangeはブランドをスタートさせました。
FilMelangeとは「混色の(Melange)の糸(Fil)」という意味を持つ造語です。
昔ながらのTシャツやスウェットシャツの杢柄のように、美しく混ざり合った色を意味します。
厳選した天然素材を使用することを前提とし、原料である「わた」の選定から「糸」「生地」「縫製」に至るまで徹底した自社開発を行っています。また、着心地はもちろん、環境への配慮からオーガニックな素材を積極的に使用しています。
丁寧な仕事を大事にする日本の優れた職人に絶対の信頼をおき、その技術の伝承の為にも日本製にこだわります。
この「原点」を大切に、出来る限りシンプルな発想で、『最高峰のカットソー』を作り続けます。
これらをふまえ、衣服を着ることの意味や喜びを追求したものづくりをしています。引用:http://filmelange.com/about/
素材に強い拘りを持つカットソーブランド上がりのデザイナーが手がけるだけあって、その着心地の良さは異論の余地もなく、これまでフィルメランジェであまり提案のなかった型もリリースされる点で、一部の服好きから強く支持されているブランドです。
ブランドコンセプトは「自分たちが思う本当に良いと思う素材の追求」。
素材づくりからがデザインだと考え、日本屈指の生産背景で作り込んだ生地を開発。出来上がった素材の個性を最大限に活かし、 細部に至るまでクオリティにこだわったコレクションを展開しています。高い質感で、気取らずに着ることができ、 オーセンティックかつ、洗練された洋服を提案します。
引用:http://auralee.jp/about/
ブランドの母体が生地屋ということもあり、アイテムの生地はすべてオリジナル。
また糸から紡績して目指す素材を先に作ることもあり、作りたいものから逆算して生地を探すという一般的なアプローチとは逆の手法を取っているブランドです。
突拍子もないデザインがない中で「なんとなくいいな」と思ってもらうために、細部への拘りには相当気を遣っていると言います。
そんなマニアックな作り込みとは裏腹に、服自体の主張が強くないのも好感が持てるとバイヤーに高く評価されています。
古着でもハイブランドでも何とでも相性良く調和してくれる懐の深さには、デザイナーの「できれば毎日着てもらいたい」という想いが反映されているのかもしれません。
参照:http://www.shipsmag.jp/article/23
オーラリーの定番名作アイテム
ニット
ここからはそんなオーラリーの定番アイテムを紹介していきますが、やはり最初はニットかと思います。
日本のブランドを見渡すとsacaiなどのように、少し捻りを加えたデザインで高い評価を受けるブランドもありますが、このオーラリーのニットは、こと純粋な品質において、最高クラスの国産ニットだと言われています。
世界を見渡すとINVERALLAN(インバーアラン)、GRAY(グライ)、JOHN SMEDLEY(ジョン・スメドレー)にANDERSEN-ANDERSEN(アンデルセン-アンデルセン)など、数々のニットブランドがありますが、それらとも全く引けを取りません。
取り分けメードインジャパンへのこだわりがある方にはイチオシです。
たくさん型がありますが、そのうちから幾つか紹介していきます。
こちらは上質な極細繊維のスーパー130’s原料のウールを極細番手に紡績した糸を何本にも撚糸し、限界まで度目を詰めて編み立てた両畦編みのニット。上質な原料による光沢と柔らかさ、しっかりと詰まった編み目が特徴の編み地を使用しています。肩の接ぎ目やネック周りの減らし目が特徴で、裾や袖は絞らず、ゆったりとした肩が落ちるシルエットのビッグプルオーバーニットです。
引用:http://www.mens.acoustics-web.com/?pg=shopping&id=22599
リブがないのは簡単に気づくかと思いますが、実は他も要所要所に拘りが溢れています。
特に肩周りの編み込み方や袖部分の編みの収束のさせ方などは、他に類を見ないディテールかと思います。
もちろん柔らかな着心地と丁度良い保温性はお家芸です。
こちらは最も軽くて柔らかいスーパーファインメリノウールをさらに厳選し、羊の皮膚に近い毛だけを選抜した極上の原料を使用したニットになります。
名前にもあるように、最も上質なカシミヤと同等の繊維の細さの14.5μを使用している為、非常に気持ちの良い肌触りです。
ちなみに同じ素材感でボートネックの物などもあり、こちらはディテールなどに変化を加えながら定番で展開されています。
発色の良さも素敵です。
値段は¥30,000~¥40,000前後とかなりお高いですが、一度着てみると買う気のなかった人でも迷いが出てくる良さがあります。
スタンドアップT
堅くハリのある編地を作るため、何度も試作を重ねたというこだわりの一着です。
キャンバス地のようにうねりとハリがあり、”スタンドアップTシャツ”という名前の通り、編地単体で立ちそうなほどのハリ感が特徴的です。
普通のTシャツと比較するとそのタフさの違いは歴然で、これを半袖スウェットと見間違える人がいてもおかしくありません。
しっかりした生地感のため、インナーが透けるのが嫌いという方でも安心して着てもらえます。
よく見ると脇の部分に通気口が設置されていたり、裾にスリットが入っていたり、ある程度の運動量を想定した上で気の利いた仕掛けが詰まっています。
値段は¥15,000程度のため、Tシャツの中では頭一つ抜けて高額かと思いますが、それこそ少し変わり種の半袖スウェットぐらいの気持ちで考えてあげると良いかもしれません。
モールスキンパンツ
ボトムスからはこちら、モールスキンパンツです。
エジプトの超長綿であるギザコットンの中より優れた10%から選ばれるフィンクスコットン。その高級なフィンクスコットンを贅沢に使用し、しっかりと打ち込んで畝を出して織り上げた高密度のモールスキン生地をあえて起毛加工を施さずに使っています。ハリがありながらも柔らかく、やや光沢があるのも原料と織りの良さによるもので、洗えば洗うほど柔らかく風合いが増すパンツです。ウエストはアジャスターが付き、シルエットがかなり太めなのが特徴です。
引用:http://shop.kink-nagoya.com/?pid=106450749
書いたてはツヤのある少しパリッとしたモデルですが、着用を重ねる内に風合いが増していくため、デニムなどとはまた違いますが、経年変化も楽しんでいけるアイテムです。
夏場は少し暑いかもしれませんが、基本的にスリーシーズンは着用のできる素材感のため、「毎日着てもらいたい」というブランドの願いを具現化したような一本にも思えます。
長めに取られた丈はハイウエスト気味で着ても良いですし、腰で穿いてワンクッション置くのも面白いです。
もちろんロールアップしても構いませんし、履き方次第でまた色々と表情を変えてくれるアイテムでもあります。
値段は¥35,000ほど。
こうして紹介してきましたブランド、オーラリー。
自然体で良質なブランドが好きという方にはかなりハマってくれるのではないかと思います。
また是非実物を探してみてください。
公式サイトはこちら