White Mountaineering (ホワイトマウンテニアリング) /デザイナー 相澤陽介
2006年秋冬コレクションよりデザイナーの相澤陽介氏によってスタートしたメンズファッションブランド、ホワイトマウンテニアリング(White Mountaineering)。
あのピッチウオモにも招待され、世界にもその名を轟かせるブランドです。
ブランドコンセプトは「服を着るフィールドは全てアウトドア」。
そのコンセプトの下で「デザイン、実用性、技術」の三つの要素を一つの形にし、市場には屈しない形でのものづくりをしているブランドです。
デザイナーの一番好きな「アウトドア」をコアにして、ファッションを表現していくことを目指しています。
僕は子供の頃から父親の影響でアウトドアが好きで、学生時代も山を登ったりキャンプに行ったりしていました。その時に着る洋服がメンズのファッションの中で一番好きだったんです。それでアウトドアをブランド名として旗印にしてしまおうと、わかりやすく「マウンテン」という言葉も入れました。初めはアウトドアブランドだと勘違いされて失敗したかな、と思ったんですけど。
引用:http://www.vogue.co.jp/fashion/from_editor_in_chief/2015-07-16
「名前で勘違いされることもある」と言いますが、アイテムから滲み出るセンスは一般的なアウトドアブランドのものとは異なり、完全にデザイナーズブランドのそれです。
徹底的に追求された機能美を擁しながらも、これほどデザイン性があってお洒落にタウンユースできる服は中々に見当たらないかと思います。
トータルのルックとして考えても、アウトドアブランドを着こなしに一点加えるのとはまた違う味を出してくれます。
そしてデザイナーの相澤氏もギャルソン出身で、ジュンヤの企画に携わってきました。
しかし相澤氏は他のギャルソン出身の方と異なり、一度ギャルソンを辞めた後に工事現場で働くという異例の経歴を踏んでいるデザイナーでもあります。
相澤氏は、そういった場所で働くことで、「ファッションとしての服ではなく、ファンクションとしての服」、それぞれの場に適切な機能着としての服を再確認できたのが良い経験だったと仰っています。
その経験が服に機能性を持たせるというブランドコンセプトにもつながっているのでしょう。
高い機能性と拘りのデザイン
そんなホワイトマウンテニアリング。
実際にどういった服が作られているかと言いますと、まさに「機能性が高く、デザインの優れた服」です。
例えばこのダウン、マッドに仕上がったボディーは撥水性の高いポリエステルを用いており、また裏地にはゴアテックスも使われていることから防水性が非常に高いです。
防寒性という観点において、冬のアウターの代名詞とも言えるダウンジャケットですが、このモデルは案外脆弱だった悪天候への対策もバッチリです。
GORE-TEX(ゴアテックス)、WINDSTOPPER(ウインドストッパー)、PRIMALOFT(プリマロフト)などの機能素材が利用されたアウター類は、やはりブランドの顔とも言えるアイテムなのではないかと思います。
(ちなみに上で挙げた二つのモデルはホワイトにおいて、2009年からスタートしたBLKというラインのモデルです。)
【about BLK】
BLACK をメインにしたファンクションウェアとして、ハイテク感のある素材使いと、ソリッドなデザインで落ち着いた印象。タグも、BLACK に変えてコレクションラインのプラスαとして登場します。基本のカラー展開はBLACKとしています。14AWシーズンでは、GORE-TEXやPRIMALOFTを採用し、従来よりもさらにソリッドなデザインで、実用性は残しつつもオーバースペックを少なくすることで、より普段着とコーディネートがしやすいアイテムに。引用:http://www.whitemountaineering.com/news/recommend-item/gore-tex-nylon-taffeta-raglan-coat/
全天候対応のアウターはどれも素敵なのですが、個人的に素敵だなと思うのはこちらのような異素材ミックス。
コーデュロイとゴアテックスというまるで親和性を感じられない素材のミックスは現代的で相当渋いと思います。
一般的なアウトドアウェアと言うと、ボテッとしたあまりシルエットの綺麗でない物を想像されると思いますが、ホワイトの物はご覧の通り非常にミニマルで無駄のないフォルムが特徴的です。
発色の良いカラーリングで作ってみても、綺麗なシルエットとマットなパーツで思いの外収まりが良く、派手な配色は苦手という方でも嫌味なく着られてしまうのではないかと思います。
そしてこのホワイトの商品全てに言えることですが、全てのパーツがオリジナルで作られています。
比較的それが分かりやすい画像を用意しましたが、ボタンや前立ての裏側に配されたテープがありきたりな既製品とは異なるデザインであることが見てとれるかと思います。
パーツではありませんが、細かい素材の切り替えなども分かりやすいですね。
先ほどのまでに紹介してきたアイテムも全て、このように非常に細部にまで拘った服作りがされています。
実際に手に取って見てもらうとその良さがより一層伝わってきやすいかと。
価格帯自体はそれなりにしてきますが、細かいパーツまで全て作っていることを加味すればむしろ相当抑えている方だと言われています。
有名ブランドとのコラボアイテム
「実用性、デザイン、テクノロジー」というブランドのDNAを評価され、化学反応を狙ってか、実は多くの老舗ブランドともコラボレーションをしているホワイトマウンテニアリング。
その内の幾つかを紹介していきます。
こちらは世界的に有名なダウンジャケットブランドMONCLERとのコラボライン『MONCLER W』です。
2013AWよりスタートし、「インダストリアルデザイン」とも言うべき工業製品的な発想を落とし込んだアイテムで好評を得ました。
2014AWで終了しており、現在はもう展開されていません。
こちらは英国の老舗であり、その代表的アイテムであるオイルドジャケットがストリートでも高く支持される「Barbour」とのコラボです。
人気モデル「BEDALE SL」のボディにバイカータイプの定番モデル「INTERNATIONAL」のポケットを融合したオリジナルデザインで、チェック柄の裏地を使用しています。
2014AWにコレクションの一部として、この型ともう一つ別のコートがリリースされました。
現在は「ビーコン ヘリテージ レンジ バイ ホワイト マウンテニアリング(Beacon Heritage Range by White Mountaineering)」というラインが存在します。
“ホワイトマウンテニアリング”のデザイナーである、相澤 陽介をデザイナーに迎えたファースト・ラインです。服を着るフィールドは全てアウトドアをコンセプトに、デザイン性、実用性、技術の3つの要素を兼ね備えたユニークなデザインと、バブアーの英国伝統のスタイルが融合した唯一無二のピースが揃います。
引用:http://www.whitemountaineering.com/news/recommend-item/beacon-heritage-range-by-white-mountaineering%E3%80%80popup-store/
最後はこちら、adidasとのコラボによる「adidas Originals by White Mountaineering」です。
adidasの象徴的なスリーストライプスや定番アイテムの型を利用して、ホワイトらしいテクニカルでモダンなウェアが展開されています。
ウェアだけでなくシューズの展開も。
爆発的人気で常に入荷後即完売の「NMD」の型でもリリースがあるようです。
こちらのコラボは現在も継続中ですので、是非またチェックしてみてください。
こうして紹介してきましたブランド、ホワイトマウンテニアリング。
個人的にオススメはやはり機能的なアウター類になりますが、シャツ、パンツ、小物に到るまで非常に抜け目ない機能的お洒落が展開されています。
是非一度アイテムを身につけてみてください。
詳しいコレクションはこちら
http://www.fashion-press.net/collections/brand/855