DRIES VAN NOTEN(ドリスヴァンノッテン)
1985年にアントワープでスタートしたブランド、DRIES VAN NOTEN(ドリスヴァンノッテン)。
アントワープ王立美術アカデミーを卒業した有名デザイナー群「アントワープ6」の一員としても名前をあげられるドリスヴァンノッテンが、自身の名を冠して設立したブランドです。
デザイナーは祖父の代から続く高級品分野のブティックを経営する家系に生まれ、10代の頃から両親についてパリやミラノに服の買い付けにいくなど、ファッションに携わる環境で育ってきたサラブレッドです。
そのため血は争えないと言いますか、環境そのものが彼をデザイナーの道に向かわせます。
77年にアントワープ王立美術アカデミーのデザイン科に入学し、在学中に、フリーランスとしてデザインを手がけ、父親の経営するブティックのバイヤーなどにも携わります。
そして81年に同校を卒業した後、アントワープの政府が企画したモード活性化のためのプロジェクト、生産工場とデザイナーを結びつけるためのコンクールに参加が決まります。
このプロジェクトをきっかけに86年のロンドンコレクションに参加し、工場のバックアップを得たことでブランドが進み始めます。
ちなみに当時のメンバーは前述にもありました、ドリスを含めたアン ドゥムルメステール、ウォルター ヴァン・ベイレンドンク、ダーク ビッケンバーグらなど、後にアントワープ6と呼ばれる鬼才達と、
脱構築の流れを生み出し、後のファッションシーンに絶大な影響を及ばしたマルジェラでした。
参照:http://www.fashion-press.net/brands/34
拘りの生地と柄でエッジを効かせた高いデザイン
そんなドリスと言えば、エスニック調であったりフォークロア調などの柄を上手く用いたデザインが特徴的です。
そこには素材の段階から選び抜く強い拘りがあり、
生地の伸び方やハリ感、厚みなど、あらゆる項目に関して、高い水準で設定した理想にそぐうまで、徹底した試行錯誤を繰り返すと言います。
ドリスは、生地作りに拘る理由を以下のように述べています。
「糸から選ぶ創作の仕方がとても楽しいから。でもそれは、着る人が色々と組み合わせて長く着られるような服を作るためでもあるのです。男物と女物、昼や夜、季節なども問わずに混ぜて着られるようにしたい。そのためには、生地がしっかりしてないといけません。人は服によって自分の物語を作っていくことができる。1年で着捨てるファストファッションのような服は作りたくないのです」
引用:http://www.asahi.com/and_w/fashion/SDI2015112737611.html
また、多くのデザイナーズブランドがグループ化されていく中で、実はこのドリスは珍しい独立型のブランドとなっています。
そのためグループ全体の中でブランドの方向性などが左右されることもなく、ドリスの場合は「ファッションにときめきや驚きを取り戻すために、人間の手仕事を大事にしたい」というポリシーを挙げています。
実際どのコレクションでも一際目を引く美しい刺繍の柄アイテムは、25年以上前から、熟練職人を擁するインドの工場に頼んでおり、互いのデザイン及び技術の継承に努めています。
少し余談になりますが、コレクションで展開するアイテムでは凄まじいセンスを発揮しながらも、自身の着る服は意外と質素というデザイナーが多い中、
ドリスはバイヤー界隈でも定評のあるお洒落デザイナーとして有名です。
おそらくそれは高いデザイン性を求めながらも、常にリアルクローズとして着ることのできる服を意識しているからでしょう。
コレクションがあまり浮世立たないため、自分でデザインしたモノと自分の着る服の乖離が少ないのかと思います。
そのためかなりエッジが効いていることはあっても、着てみると案外スッキリ嫌味なく着れてしまったりします。
定番アイテム、スカーフ
デザインしたアイテム一つ一つに名前を付けるというドリスですが、そんなデザイナー自身も非常に好きであるという、スカーフやマフラーは、
メンズ、レディース問わず、毎シーズンたくさんの型がリリースされるブランドの定番アイテムです。
職人のハンドメイドによる美しい一本は、シンプルな着こなしに一点足してあげるだけで狙っている以上に様になる素敵なアイテムです。
ちなみにエスニックな柄がドリスの象徴のごとく語られることが多いですが、本人はエスニックデザイナーという分類のされ方を嫌がっているそうです。
服と違って頻繁に身につけていても不思議ではなく、非常に汎用性が高いので、最初に買うアイテムとしては巻物もオススメかと。
こうして紹介してきましたブランド、ドリスヴァンノッテン。
やはりそれなりに値段はしますが、インポートの中ではマルジェラなどと同じぐらいの価格帯で、まだ比較的手を出しやすい部類には入るかと思います。
また是非調べてみてください。
詳しいコレクションはこちら
http://www.fashion-press.net/collections/brand/34